不動産を相続するときの「特別方式遺言」とは?
「不動産を相続する予定だけれど、よく分からない」「特別方式遺言と聞いたけれど、通常の遺言となにが違うのだろう」このように考える人は多いでしょう。
今回は、特別方式遺言とは何か、どのような種類があるか説明していきます。
不動産相続のときにバタバタしないよう、事前に覚えておきましょう。
不動産を相続するときの「特別方式遺言」とは?
通常の遺言は「普通方式遺言」というのに対して、緊急時に作成した遺言は「特別方式遺言」といいます。
病気や事後などで急に死期が迫ることで、普通方式遺言が用意できないことは多くあります。
事前に自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言がある場合問題ありませんが、急な事故が起こったときに遺言を準備している人はほとんどいないでしょう。
普通方式遺言との大きな違いは、有効期限があることでしょう。
普通方式遺言では、有効期限がありません。
これは新しい遺言書が作成された場合は新しいものが有効になり、以前のものは無効になることも関係しています。
特別方式遺言は緊急時に利用できるもので、作成後6か月までと期限が決まっています。
6か月が過ぎると、遺言書は自動的に無効になります。
不動産を相続するときの「特別方式遺言」の種類
危急時遺言と隔絶地遺言について解説していきます。
危急時遺言
病やケガなどで、生命危機が迫っているときに作成する遺言のことです。
自筆できない場合も多いため、証人1人に口頭で遺言を伝え、書き写してもらい、もう1人の証人が署名することで遺言として成立します。
注意点としては、この証人は推定相続人以外の人でなければなりません。
推定相続人の場合、利害関係者として自分に優位にする可能性があるからです。
20日以内に家庭裁判所にて確認手続きが必要です。
隔絶地遺言
伝染病や乗船中など、隔離された状態のときに利用できる遺言のことです。
危急時遺言とは異なり、自筆にて作成する必要があります。
そのかわり、家庭裁判所での確認手続きは不要です。
伝染病などの隔離状態にある場合は、警察官1人、証人1人による立会、船舶などによる隔離状態の場合は、船長もしくは事務員1人、証人2人が必要です。